寺田鵬弘 個展 「ちょっと手を抜く。」
■ 開催日 :2017年8月25日(金) ― 9月3日(日)
■ 開催時間:13:00 ― 20:00 (最終日17:00まで)
■ オープニングパーティー&ギャラリートーク:8月25日(金) 19:00 ― 20:00
■ 休廊日 :火曜日
■ 入場料 :無料
■ 内容:真鍮、アルミ、和紙、その他
寺田鵬弘個展「ちょっと手を抜く。」開催にあたり
「格差」という言葉がマイナスイメージとともに巷間喧しく流布する様になって久しい。
しかし、半世紀あまり生きてきた身からすると、物心ついた頃から「格差」は身の回りに溢れていて、ごく日常に横たわっているものであった。
ただ、その頃の大人達は、「格差」を無くすこと、縮めることに一所懸命であった様に記憶している。日常に横たわる彼我の格差を縮めることを、仕事の、教育の、男女の、経済の、技術の、もちろん貧富の格差さえも縮めることを、生きる動機としていた。
そんな中で大人になってきた我々は、それを疑うこと無く、がむしゃらに働くことが、生きる上での正しい道筋だと信じていた。
「大人になること」、それは「世の中の仕組みを理解すること」だと、若者に説いている自分がいる。その「大人達」でさえ、近頃まるで「世の中の仕組み」が分からなくなっているというのに。
そんな良く分からない日常を過ごしているとき、「彼」に出会った。まぁ、今時の若者以外の何者でも無かった。そして作品を観た。キャプションには「仕事は後回しにしてお茶でも飲みましょう。」と丸文字の直筆で書かれていた。「何を言ってるんだ若僧め!」と思わず口にしていた。
その後、何度か話し、酒を酌み交わし、時間を重ねる内に、いつしか年の差を(実際の年齢差ほど)感じなくなってきていることに驚いた。そしてどんどん「彼」に興味が増していった。「仕事は後回しにしてお茶でも飲みましょう。」というメッセージは、一体誰に向けられているのか?「世の中の仕組みを理解している」はずの「大人達」だとばかり思っていたのが、そうで無いことに気付かされ、言葉を失った。単なる若者の大人に対する反骨メッセージでは無かったのだ。
これ以降、「彼」の作品を観る視点が、170度くらいは、変わってしまった。
今回の展示は、日を改めて、2度観て頂きたい。1度目は、作品そのものを存分に堪能して頂く。2度目は、「彼」からのメッセージの意味を、そして誰に向けたものなのかを、是非探って頂きたい。「彼」には欺かれない様に、お気を付けて。
アートマネジメントオフィス アホイ!
代表 塚田 信郎、あずき
※本展は、アートマネジメントオフィス Ahoy!のディレクションのもと、gallery to plusとの協働により開催されます。
寺田 鵬弘(テラダ トモヒロ)
1992年東京都生まれ。2014年に横浜美術大学を卒業。
ー展示ー
2014年 3.5 Exhibition / クリエイションギャラリー日本橋箱崎
2015年 横浜美術大学卒業制作展 / 横浜美術大学
横浜美術大学卒業制作選抜展 / 赤レンガ倉庫
横浜美術大学卒業制作有志展 [地点] / PROMO-ARTE PROJECT GALLERY
TERADA Cafe / 黄金町スタジオC
横浜美術大学卒業制作受賞作品展 / 横浜美術大学 YCADギャラリー 横浜
TERADA Cafe / 2nd Cafe
森の中の小さな芸術会 / 山形県長井市西根地区公民館
第21回「真綿のビジュアル・アート」公募展 / 田中八重洲画廊
2016 SICF 17 / スパイラルホール(スパイラル3F)
テラダの展示 / 黄金スタジオC
2017 MEDIA AMBITION TOKYO 2017 / 六本木ヒルズ 森タワー52階 東京シティビュー
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